さて、みなさんはこのニュースをご存知でしょうか?
『韓国の造船支援、日本がWTO違反と主張 協議を要請(2020/2/1 16:04)』
日経新聞以外も記事を出しています。
~お品書き~
前もこのニュースあった?
実は、造船業において韓国が問題行為を行っている事は前々から話されていたことでした。
この問題行為というのが、韓国政府の造船業に対する公的支援の異常さなんです。
その詳細が知りたい方は次のような言葉を検索してください。
・韓国 造船 ゾンビ企業
・大宇造船 STX造船海洋
検索すると、かなりの記事が出てくると思います。ここではその内容や額などは書きません。もっと知りたい方、ぜひ造船沼に入っていきましょう(笑)
なぜ莫大な支援を受けられる?
皆さんが気になるのは、恐らくこちらではないでしょうか?
なぜ、造船業に莫大な支援を行うのか。
労働集約産業と資本集約産業
みなさんは労働集約産業と資本集約産業という言葉を耳にしたことがありますでしょうか?コトバンクで調べると次のように解説されてます。
『事業活動を営む上で、労働力より資本設備への依存度が高い産業のこと。一般に固定資本の占める割合が高い。これに対し、労働力への依存度が高い産業を労働集約型産業という。』(https://kotobank.jp/word/%E8%B3%87%E6%9C%AC%E9%9B%86%E7%B4%84%E5%9E%8B%E7%94%A3%E6%A5%AD-178993)
さて、造船業はどちらに含まれるでしょうか?答えは、労働集約型産業です。そして、これこそが莫大な支援が受けられる理由です。
実は、造船企業そのものの社員はそれほど多くないのですが、代わりに多数の下請企業と関わりがあります。なので、もし造船所が倒産すると彼らが職を失うのです。
特に、造船業は機械化できない部分が多数ありますので、嫌でも労働集約型になってしまうのです。
すそ野が広い産業
集約型の違いによる理由のほかにも、公的支援を受ける理由があります。それは、関連企業の広さです。
1隻の船を作るのに必要な部品数、どれくらいだと思いますか?答えは、約20~30万点です。ちなみに、一番部品数が多いのは飛行機で約300万~400万点で、その次に造船、次に自動車と続きます。
意外だと思うかもしれませんが、造船業は全産業で2番目に部品数が多い産業なのです。しかも、自動車産業よりも部品数が多い(自動車は約2万~4万点)。
日本には強力な自動車産業があり、自動車関連メーカーをよく御存じだと思います。造船はそれ以上の部品を必要とする産業なのです。当然、関連企業もまた多い(ちなみに、造船関連企業を舶用品メーカーといいます)。
このため、逆にいうと、造船不況になると関連企業が全滅することとなります。特に、舶用品メーカーは専業が多く、造船部品一筋という企業が多い。連鎖倒産の可能性は無視できません。
これが、支援を受ける2つ目の理由です。
終わりに
もちろん、ほかにも様々な理由はあります。ただし、最も大きい理由は、①労働者が多く、②関連産業が広い、という事があげられますね。
特に、韓国は攻撃的な労働組合があり、企業崩壊のみならず、下手をすると政府転覆もありえます。何も行動しない日本人労働者と同じだと思ってはいけません。
かつては欧州造船業が日本を非難することもありました。日本の生産性が高すぎて、しかし船価が安すぎるとして問題視されたのです。そして日本は自主規制という形で対応し、オイルショックを迎えます。
今回の韓国の行動はかつての日本と大きく異なります。自国労働者の維持が目的だからです。
ただし、これで船価が適正になったとしても、日本造船業が復活することはありません。他でも記事にしている通り、日本は企業数が多すぎるのです。
もっとも、少しでもマシな産業になる事は間違いないでしょう。
悲しいお知らせ
造船所は海に近い場所に建てられます。東日本大震災で被害を受けた造船所も当然あるわけです。その1つが、このヤマニシという会社です。
一時は復活の兆しも見えたのですが、残念でなりません。私自身は雑誌で少し見ただけなのですが、被災を乗り越えていく姿に心を打たれたものです。
どうか、再び再開されることを祈るばかりです。
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