経営系院卒がオススメする、ほんとうに読んでほしい経営学書籍10選

経営学部4年間、経営学系大学院2年間の計6年間を学術の世界に費やした私。

ここでは、経営学が少し気になっている方や経営学部1年生、あるいは社会人1年目の方にぜひ読んでほしい経営学関係の書籍を10冊選抜し、ランキング形式で提示します。もちろん、マネジメント層に読んでいただきたい書籍も含まれております。

今回は経営学に詳しくない方にも読みやすい書籍を選びました。ぜひ一度、お手に取ってみてください!

失敗したい方、絶対に読まないでください。『失敗の本質―日本軍の組織論的研究 』

・今も昔も”失敗”の本質は変わらない。
・経営学と密接な関係にある軍事を事例に、失敗を解明し、その本質を探る。
・あなたの会社、旧軍が犯した失敗と同じ過程を歩んでいませんか?

大日本帝国が犯した失敗を事例に、”失敗”についてを研究した名著です。戦争のプロフェッショナル集団である軍隊、世界有数の大国であった日本国、アジア唯一の先進国という自負。なぜ失敗へ向かったのか、どうして失敗への過程を進んでしまったのか。知れば知るほど、現代の企業も同じ過ちを犯していることを理解できます。
関連書籍:戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ国家経営の本質 ―大転換期の知略とリーダーシップ知略の本質 戦史に学ぶ逆転と勝利

古い考え?いえいえ、日本企業成長の本質ですよ。『全員経営 ―自律分散イノベーション企業 成功の本質』

・高度成長できた日本企業の成長の本質
・今もなお成長企業に引き継がれる考え
・日本の再成長をもたらすかもしれない?

”失敗の本質”を共著した1人が執筆されてます。全ての成長企業はチームで活動してました。
もちろん、企業だけではありません。JAXAなどプロジェクトチームなども成功した組織はみな全員が自律し的確な行動を取ったからにほかなりません。
私が通学中に読み感動し泣いたのは、本書のみです。絶対に損はさせません。どうか手に取って読んでください。

経営学初心者にオススメしたい。戦略論の流れをつかもう。『経営戦略全史』

・経営戦略論を登場した時代に沿って優しく解説。
・経営学独学者、学部1年生、新入社員に読んでほしい。
・すべての道も一歩から。

経営学における戦略論は、実は時代に沿って様々な理論が登場してきました。本書はその代表的な理論を、当時の企業戦争や時代背景などをと共に解説したものです。知って損する理論はありません。誰にでも読めるように、優しく解説されておりますので、ぜひ読んでいただければと思います。
関連書籍:ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)ビジネス・フレームワーク (日経文庫ビジュアル)

そもそも経営学って何を学ぶの?そういう方に勧めたい、超入門書。『1からの経営学』

・経営学とは何をする学問なのか。
・戦略論、組織論など様々なことを広く浅く紹介。
・入門書に最適。

経営学部1年生の教科書として多くの大学で採用されている本書。経営学とは何をする学問であるのか、そもそも経営学は何なのか。企業法、戦略論、組織論、マーケティング論、会計など広く浅く説明するのが本書の役割です。
学部生や社会人のみならず、高校生にもお勧めしたい1冊だと思います。
関連書籍:1からの経営史1からの戦略論<第2版> (【碩学舎】)1からのマーケティング

血みどろの戦場から緑豊かな資源地帯へ。企業が目指す、安寧の地。『ブルー・オーシャン戦略』

・他社と激しい競争から抜け出す方法。
・血みどろの戦いが、双方を疲弊させる。
・その事業、考えなしに続けているだけではありませんか。

限られた需要に対して多数の供給者がいる場合、血みどろの競争が生じます。企業同士の値下げ合戦や赤字受注、産業内のすべての企業が疲弊する結果に終わる最悪の市場がレッドオーシャン市場です。そして、その逆こそがブルーオーシャン市場であり、それを目指す戦略を本書の題名としてます。
所有から利用に代わった現代ではより一層の競争激化が予想されます。一刻も早くレッドオーシャンから抜け出さないと、生き残れませんよ?

関連書籍:ブルー・オーシャン戦略論文集日経BP総研2030展望 ビジネスを変える 100のブルーオーシャンブルー・オーシャン・シフト

パクリ?開き直り?いえいえ、模倣は立派な経営戦略の1つです。『模倣の経営学』

・あなたの知っている会社も模倣してます。
・ビジネスは0を1にするだけではありません。
・模倣されない競争優位性こそが真の強さ。

経営学において、模倣は立派な経営戦略の1つです。むしろ、他社がすぐに模倣できるものは、競争優位とはなりません。本当に強い企業とは、他社が模倣できない競争優位性を持っているのです。
トヨタ生産システムは誰もが学べるのに、自社に移転できないのです。競争優位性の最たる例といえますね。
関連書籍:模倣の経営学 実践プログラム版 NEW COMBINATIONS 模倣を創造に変えるイノベーションの王道コピーキャット―模倣者こそがイノベーションを起こす

誰もが耳にしたことのある大企業。どうして巨人が倒れたのか、物語として簡単に説明。『巨大倒産: 「絶対潰れない会社」を潰した社長たち』

・大企業の倒産を扱う書籍。
・読みやすく、イメージしやすい。
・関連する書籍やニュースなどが多い。

佐世保重工やシャープなど、誰もが知っている大企業を対象に、倒産へ向かった経緯を分析。学術向けの詳細な分析ではなく、あくまでも一般人向けに書かれており、非常に読みやすい作りになっています。
読み終えた後、更に知りたい場合にも大企業なので調べたらいくらでも関係する本やニュース、記事があるので、雑誌のように気軽に読むのがいいかも?
関連書籍:未完の「国鉄改革」―巨大組織の崩壊と再生なぜ倒産 平成倒産史編

自社が1から10までできる時代ではなくなった。他社協業による最大益の追求へ。『OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて』

・研究開発から新製品開発までの全行程を自社でできる時代は終わった。
・クローズドイノベーションからオープンイノベーションへ移行。
・大企業の終焉?

古さは否めませんが、それでもなお名著であることに疑いありません。
新製品の開発速度が重要となった現在、1秒でも早く製品を開発し市場に送るには、自社のみならず他社の技術を利用するのが手っ取り早い。全て自社のみで完結させられる(クローズドイノベーション)時代ではなくなったのです。

関連書籍:イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)キーストーン戦略 イノベーションを持続させるビジネス・エコシステム (Harvard Business School Press)オープン&クローズ戦略 日本企業再興の条件 増補改訂版

大企業はどうして誕生していったのか、そのプロセスを学ぶ。『日本経営史 新版―江戸時代から21世紀へ 』

・日本の産業史
・誰もが知る大企業の誕生から発展のプロセス
・歴史が嫌いな方も安心して読める企業史

日本史や世界史とは違う、経営史という分野の名著です。日本には創業100年企業など、長い歴史を持つ会社が多く存在します。本書では、江戸時代や明治時代に誕生した企業を事例に日本国内の経営史を学び、当時の背景や企業の創業、拡大、成長などを記載します。
題名は難しそうですが、その内容は学部1回生でも読めるようにやさしく書かれております。しかし、決して手を抜いているわけではありません。このランキングにしたのは、経営を学んだあとに読むとより一層楽しめるためです。

関連書籍:企業家に学ぶ日本経営史 -- テーマとケースでとらえよう (有斐閣ブックス)1からの経営史コア・テキスト経営史 (ライブラリ経営学コア・テキスト)

指示待ち人間を自発的な優秀な人材に変えるのは、不可能ではない。『米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方 』。

・部下を持つ先輩やマネジメント層に読んでほしい。
・リーダーシップは複数存在する。
・指示待ち人間の意識を変えていく物語。

潜水艦?と思われるかもしれませんが、その内容は多くの企業が抱える活力のない組織についての事例です。トップダウンで指示を受けなければならない潜水艦という環境で、その逆を進み優秀な人材を継続して育成した伝説を持つのがこの艦です。
部下の育成を任された社員や人事部の方、あるいはマネジメント層の方にぜひとも読んでいただきたい1冊ですね。

関連書籍:アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)英国海兵隊に学ぶ 最強組織のつくり方知的機動力の本質 - アメリカ海兵隊の組織論的研究

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