日本の造船企業を知ろう!

約1,000事業者ある国内の造船業。ここでは、そのうち工業会加盟の17社を軽く紹介します!

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日本の造船産業を軽く紹介

研究以外の造船記事はこちら

今回は、日本の造船企業を軽く紹介していきます!

四面を海に囲まれた島国日本。もし船が無ければ干上がってしまうほど、わが国は非常に脆弱な環境にあります(2015年の日本の実質船腹保有数は世界2位)。

より具体的な数値で言いましょう。日本は、「貿易の99.6%を海上輸送が占め、国内貨物輸送の約4割(産業基礎物資の約8割)を海上輸送に依存」しています。

だからこそ、古くから船舶業が繁栄し、世界有数の海運業と海軍を持つ国に成長しました。

では、それを支える日本の造船業を、我々はどれほど知っているのでしょうか?

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日本の海事クラスター

世界の造船業と日本の造船業、最大の違いはこの海事クラスターという部分にあります。

海事クラスターindex
 様々な産業が直接・間接に関係する産業群のことを、ぶどうの房(クラスター)が隣り合って密集していることになぞらえて産業クラスターといい、特に海事産業群は「海事クラスター」と呼ばれる。日本の海事クラスターは、海運業、造船業を中核に舶用工業や港湾運送のほか、法務、金融、保険などといった業種が広がる形で構成されており、海運大国かつ造船大国である日本の海事クラスターは売上高や従業員の規模が大きく、日本全体に与える影響が高いとされている。

日本船主協会海運用語集より

自国完結型の船舶建造

古くから造船業をせざるを得ない環境だった日本では、自国で船舶の建造を完結しなければなりませんでした。

そのため、エンジンやボイラー、スクリューなどの舶用機器をすべて自国で賄える必要がありました。2000年に建造量1位の座を韓国に譲りましたが、韓国建造の船には多数の日本製舶用機器が利用され、それは現在の中国造船業においても同じことが言えます。

船舶の設計から完成までのすべてを自国だけで賄えるのは、実は世界的に特別なことなのです。

強力な海運業

たしかに、日本の造船業は素晴らしいものです。しかし、それは顧客あってのもの。造船業はあくまでも海運業からの船舶発注により初めて建造が開始されるものなのです。

この、受注生産型の造船業において、顧客とは誰なのか。それは海運業にほかなりません。

日本の海運企業が発注する船舶のうち、80%以上を国内から調達」というように、日本の造船業は日本の海運業と密接な関係にあります(ちなみに、日本造船業の船舶建造量のうち、60%は国内海運業向けのものです)。

出所:https://www.mlit.go.jp/common/001284889.pdf

優秀な教育機関

国内には、商船学校などのような海洋教育機関が多数存在します。残念ながら、現在ではかなりの数が閉鎖されてしまいましたが、それでもなお優秀な機関が残っていることに間違いありません。

実は、私は学校機関に関して詳しくはありません。ただし、造船研究中に読んだ論文などから、商船学校などは過去と比べてかなりの数が閉鎖されたと伺っております。

それと比べてフィリピンやインドネシアなどの海洋国家ではこのような機関が盛んに設立されており、日本企業も多数の出資を行っているそうです。

世界の造船市況

まずは、新造船建造量の推移を見ていきましょう。

実は、世界の造船市場は日中韓3か国によって建造量の大部分が支配されてます。

世界最大の建造量を誇るイギリスを日本が抜いたのは1956年、その座は2000年まで続きました。その後は韓国が、そして韓国の座を中国が奪っていきます。

現在は中・韓が30%、日が20%程度でしょう。

韓国造船業

韓国の造船業は①財閥による過度集中、②政府による違法ともいえる資金援助、が特徴です。

①については、少し古いですが、この表が端的に物語ってますね。

出所:船種別造船市場と韓国造船業

この過度の集中は何を意味するのか。それは、企業の造船設備が大きいということなんです。

出所:同上

 

日本の造船業は1社1船台や1ドックがほとんどです。これは2度にわたる国策としての設備処理で大手企業が自社設備を大きく廃棄したことや、力の弱い中小造船業が多数存在しているからにほかなりません。

この1社あたりの設備は、実は受注に際して大きなメリットを生みます。それがロット受注と呼ばれるものです。

例えばコンテナ船などは一度の受注で6隻だとか10隻だとかが決まります。それを建造するにはそれだけのドックが必要なのです。

実は、これまでの日本企業のネックが、ロット受注に対応できないということでした。それだけのドックを持つ企業が存在しなかったのです。少なくともコンテナ船において、日本が立ち上がれないのはこの設備数に関係があります。

 

②に関してはこちらをご覧ください。

日本政府、韓国造船業を訴える
実は、造船業において韓国が問題行為を行っている事は前々から話されていたことでした。 この問題行為というのが、韓国政府の造船業に対する公的支援の異常さなんです。

 

また、韓国造船業と日本造船業は建造船種にも大きな違いがあります。

LNG船やVLCCなどの、いわゆる高付加価値船と呼ばれる船種は、ほとんど韓国が建造しているといっても過言ではありません。むしろ韓国はこのような船種に集中する戦略を取っています。

中国造船業

中国の造船業はかなり難解で、正直私もほとんど理解してません。

というのも、情報がとてつもなく少なく、更に日韓とは政治体制も異なるため想像しずらい部分があるのです。

この国の特徴は、国家を主体とした意思決定の下、企業集団のトップが集団傘下の企業に仕事を振り分けるというものです。

出所:中国造船1、2位が統合 世界シェア2割へ、現代重陣営に迫る

なので、1位の中国船舶工業集団(CSSC)と、2位の中国船舶重工集団(CSIC)は、どちらも国営の企業なのですが、その中身は複数の企業から成っております。

例えば、CSICは 2011 年2月時点で、船舶企業 34,船舶研究機構 29,地区管理機構5,その他の機構 12 を傘下に持っていました(中国造船産業の組織構成より)。

 

さて、その国営2社が今回統合するというのが上記ニュースの内容です。統合後は断トツの世界1位企業になります。もし日本国内でしようものなら間違いなく公正取引委員会が却下を下すでしょう。

その他国家の造船業

日中韓以外にも造船業は存在します。ただし、その多くは海洋プラントへ移行していたり、客船の建造を主に行ってます。もちろん、漁船などの小型船は今回除いてます。

客船では三菱のアイーダが莫大な赤字を出して事業分割まで陥りましたね。大型客船の建造は非常に難しいものです。海外造船業はその客船へ移行しています。

もともとはそうではなかったのですが、1950年代からの日本造船業の成長により多くの企業が倒産や撤退を行いました。その中で、一部の企業のみが客船やLNGなどの高付加価値船へ移行する事が出来、生き残った経緯があります。

おわりに

今回は日本の造船業を軽く紹介しました。

いかがだったでしょうか?

本来ならこの下に日本の造船企業を紹介する予定だったのですが、記事が長くなってしまい急遽別記事で投稿することとなりました。

もしよろしければ、そちらもご覧ください。

完成次第ここにリンクを貼り付けますので。

それでは!

 

 

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