自壊する米海軍原潜戦力:ドック不足が招く危機

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世界最強の海軍力を有するアメリカ海軍。

他国へ赴き制海権の奪取、その後の航空支援を行う空母部隊。あるいは実際に上陸戦を行う揚陸部隊は海域へ派遣されるだけで抑止力が働く、まさに見える戦力です。

USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN 77) (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Jayden Brown)

一方、原子力潜水艦は忍者のように見えない戦力だと言えます。

特に原潜は核抑止を担う弾道ミサイル潜水艦(SSBN)と、情報収集や特殊部隊の上陸支援、敵潜水艦及び水上艦の捜索と破壊などを目的とした攻撃型原潜(SSN)の2種に大きく分類できます。

USS サンタフェ(SSN 763) (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Keenan Daniels)

ところで、今この重大な原潜戦力が自壊へ進んでいることはご存じでしょうか?

2023年、CNNは『米海軍の高速攻撃潜水艦のほぼ40%が、造船所の人員不足やサプライチェーン(供給網)問題のために修理中や整備待ちの状態にあることが、米議会調査局の報告書で明らかになった。』という記事を投稿しました(米軍攻撃潜水艦、40%近くが修理中または修理待ち)。

今回はなぜそのような深刻な状況となったのか、解説したいと思います。

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原潜の修繕を担う公営造船所

出所:Shipyard Infrastructure Optimization Program

アメリカ合衆国が運営する海軍工廠施設のうち、艦船の建造や修繕を行うのが「海軍造船所」です。

かつては10か所以上も存在していましたが、時代とともに閉鎖や再開発が進み、2026年現在は4か所のみとなっています。

さらに、1970年代以降は艦艇の建造は民間企業に移り、海軍造船所は高度な技術力が必要な原子力艦の修繕や改修、そして廃艦が大きな役割となりました。

ノーフォーク海軍造船所(Norfolk Naval Shipyard:NNSY

北米大陸東海岸、バージニア州ポーツマスに位置するノーフォーク海軍造船所は米海軍が有する最大規模の造船所です。

SSNやSSBNといった原子力潜水艦の修繕や改修のほか、最新鋭のフォード級原子力空母(CVN)が入渠可能なドックを備えており、米海軍が保有するほぼすべての艦種の受け入れが可能です(現状ニミッツ級までの入渠が可能で、工事によりフォード級の入渠を可能にする予定です)。

出所:各種資料より著者作成。

※表内のDMPやEDSRAなどは本投稿では無視していただいて大丈夫です。

造船所には修繕ドック5基と浮ドック1基の計6基がありますが、うち1基はCVN専用であり、第1ドックと浮ドックは掃海艇などの小型舟艇向けのものです。

このため、原潜の修繕に使用されるのはドック3基のみと考えられます。なお、第2ドックは全長が不足しておりSSBNの入渠は不可です。

以上より、ノーフォーク海軍造船所の修繕能力は、SSBN1隻とSSN2隻、あるいはSSN3隻までの修繕が同時に可能だと考えられます。

ポーツマス海軍造船所(Portsmouth Naval Shipyard:PNSY)

東海岸のメイン州キタリーに位置するポーツマス海軍造船所は、ノーフォーク海軍造船所と異なり原潜に特化した造船所です。

同所は原潜の修繕に加え、ロサンゼルス級初期型やオハイオ級など原子力燃料棒の交換を多数行った実績があります。なお、新型原潜は耐用年数を終えるまで核燃料の交換が不要のため、今後同様の作業がおこなわれることはありません。

出所:各種資料より著者作成。

現在、同造船所は修繕ドック3基を有し、新たにドック2基を新設中です。

規模としては第1、第3ドックは長さの都合SSBNの入渠は不可能であり、これは新設中のドック2基についても同様です。

このため、同所はSSBNではなくSSNの修繕拠点となることがうかがえます。

ピュージェット・サウンド海軍造船所(Puget Sound Naval Shipyard & Intermediate Maintenance Facility:PSNS)

ノーフォークとポーツマスが東海岸に位置するのに対し、ピュージェット・サウンド海軍造船所はワシントン州ブレマートンに位置する、北米大陸西海岸唯一の海軍造船所です。

特に、同所は西海岸で唯一CVNの入渠が可能なドックを有するだけでなく、退役した原潜から原子炉を取り出す米海軍唯一の解体施設としての役割も担っています。

出所:各種資料より著者作成。

修繕ドック6基を有する大規模な造船所で、そのうち1基は主としてCVNに、1基は退役原潜の解体に利用される傾向にあります。また、西海岸にCVN入渠可能なドックはここのみと不足していることから、現在第3ドックをCVN用に拡張工事中です。

このため、現状、原潜の修繕が可能なドック数は3基程度と予想されます。しかし、西海岸でSSBNの修繕実績を多数持つ造船所である都合、ドック1基は優先的にSSBN修繕に使われると思われます。

このことから、修繕能力としてSSBN1隻と、SSN2隻の同時修繕が最大である、と予想されます。

真珠湾海軍造船所(Pearl Harbor Naval Shipyard & Intermediate Maintenance Facility:PHNSY)

上記3か所が北米大陸に位置するのに対し、真珠湾海軍造船所は太平洋上のハワイ州ホノルルに所在する海軍造船所です。

同所は北米大陸外で唯一原潜の修繕が可能な拠点であり、ここを失うと西海岸まで受け入れ可能なドックがないことから、その重要性が理解できると思います。

出所:各種資料より著者作成。

設備として修繕ドック4基を持ち、現在新たに1基を建設中です。この建設工事のため、4基のうち1基は利用ができません。

ドック3基はすべて全長300m、幅40mを超える規模のもので、CVN以外の全艦種の入渠が可能といえます。このため、かつては第7艦隊所属艦船の一大修繕拠点でしたが、近年は駆逐艦などが民間や他国で修繕を受けるようになり、現在は原潜に特化した造船所となっています。

理論上、ドックにはSSBNの入渠も可能ですが、弾道ミサイルなどを取り扱う都合、緊急時以外は本土の海軍造船所へ入渠することがほとんどです。

以上より、同所は現在SSNに特化した造船所といえます。

公営造船所のまとめ

以上、公営の海軍造船所としてはノーフォーク、ポーツマス、ピュージェット・サウンド、真珠湾の4か所が存在し、原潜の修繕能力を持つドックは合計12基あります。

しかし、そのうち2基は安全保障上の都合からSSBNに優先的に充てられるため、実情としてSSNの修繕が可能なドックは10基程度と考えられます。

ところで、現在の米海軍が保有する原潜は総隻数68隻です。この内訳はSSBNは14隻、核戦力の削減により弾道弾から巡航ミサイルに転換したSSGNが4隻、そしてSSNが50隻となります(進水後や就役前などで50~53隻との記載もある)。

SSNは6年ごとに約2年程度ドックに入渠するといわれます。稼働率70%を目指すなら15隻はメンテナンスに充てられ、極論としてこの15隻すべてがドックに入渠する可能性があります。

既存のSSN向けドックが約10基しかない現状で、稼働率70%を維持することは困難であることは明らかですね。

そして、その高度な技術力が必要な原潜の修繕さえも民間へ委託する状況が生じることとなりました。

原潜修繕の民間委託

USS シティ・オブ・コーパスクリスティ (SSN 705) 真珠湾海軍造船所の第1乾ドックより出渠 (Photo by: Petty Officer 3rd Class Dustan Longhini)

原潜の新造を行っているのは、ジェネラル・ダイナミクス傘下のエレクトリック・ボート社、そしてハンティントン・インガルス・インダストリーズ傘下のニューポートニューズ社の2社です。

近年の原潜に対する修繕ドックの不足から、米海軍は建造実績のある両社へ原潜の修繕を依頼することとなりました。

ジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート(General Dynamics Electric Boat:GDEB)

現代潜水艦の基礎ともいえるホランド型潜水艦のほか、世界初の原潜ノーチラス号などを建造したエレクトリック・ボート社。

潜水艦建造に強みがある同社はオハイオ級SSBNとシーウルフ級SSNの全隻、ロサンゼルス級SSNの約半数を建造し、現在は最新となるコロンビア級SSBNの建造を始めています。

出所:各種資料より著者作成。

※エレクトックボードの第3ドックは浮ドックの導入により廃止とあるものの、同ドックで利用されるポンツーンランチャーを新規建造しているなど、実態は不明です。修繕に使われることはないので、本投稿では深くは書きません。

同所は建造用ドック1基と修繕用ドック2基、そして2026年1月に到着した浮ドック1基の計4基を有し、新造のほか少なくとも2010年代ごろよりSSNの修繕も行うようになっていました。

なお、この浮ドックは原潜の進水や、他社からの船体ブロックの組み立てなどでも利用される予定で、修繕のみの利用ではありません。

また、修繕ドックはもともと進水した原潜の艤装や検査に利用していたもので、修繕はドック不足のため臨時に行っているにすぎません。公営造船が担っている旧式艦の原子炉交換や解体などは行えません。

あくまでも同造船所は原潜の建造がメインということはよく覚えておきましょう。

HIIニューポート・ニューズ(HII Newport News Shipbuilding:NNS)

エレクトリックボートが原潜を中心にしていたように、ニューポート・ニューズ社は世界初の原子力空母エンタープライズを建造し、その後のニミッツ級および最新鋭のフォード級の建造を独占しています。

特にニミッツ級CVNは約20年に一度原子炉燃料棒の交換(RCOH)が必要で、船体を二つに分割して原子炉を取り出すなど、約3年程度ドックを占領しなければなりませんでした。この交換作業を行う造船所も同所のみです。

また、原潜の建造が可能な2社のうちのもう1社であり、バージニア級SSNの約半数を建造したほか、次世代SSBNのブロック建造を担っています。

出所:各種資料より著者作成。

ドックは全部で5基と浮ドック1基の計6基です。しかし、CVNの建造で使われる第12ドック、同じく核燃料の交換を行う第11ドック、交換作業の支援に使われる第10ドックと、CVN関係で3基が専属的に利用されています。

このため、原潜に利用されるドックは3基と浮ドック1基の計4基となります。なお、浮ドックは工場で建造された原潜の進水に利用されるため、修繕はドック3基で行われています。

エレクトリック・ボートと同様、同所も原潜に関しては新造がメインであり、修繕ドックは進水後の艤装や点検が目的でした。深刻なドック不足から同所も2010年代ごろよりSSNの修繕を受け入れはじめ、新造と修繕の両方を行う重要な造船所となりました。

民間造船所の課題

「原潜の新造を両社ともしているから、修繕も問題なく行える」。この考えは必ずしも正しいとは言えません。

例えば、2018年の投稿では『「彼ら(上記2社※作者注)は現在保有する潜水艦に苦戦しています。その理由の一つは、オーバーホールが新造よりもはるかに困難で、彼らが十分に熟練していないことです」と、トム・ムーア海軍中将は9月に開催されたアメリカ海軍技術協会(ASNE)の艦隊整備・近代化シンポジウムの基調講演で述べた。』との記載があります(出所:GAO: Navy Lost 1,891 Days of Attack Sub Operations Waiting for Repairs; Spent $1.5 Billion Supporting Idle Crews)。

象徴的な事例がUSS Boise(SSN 764)です。本艦は2016年よりノーフォーク海軍造船所で修繕期間へ入る予定でしたが、ドック不足を理由に4年間ノーフォーク海軍基地の桟橋に係留され放置されていました。

 USS ボイシ (SSN 764) (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Daniel M. Young/Not Released)

その後、2019年に本艦を建造したニューポートニューズ造船所での修繕が決定されましたが、同造船所内の別のSSN修繕で遅延が発生し、再び延期。入渠は2021年にずれ込み、整備完了は2029年を予定しています(出所:Navy Awards $1.2B Repair Contract for Attack Sub USS Boise More Than 7 Years Late)。

つまり、本来2年程度の整備期間で終えるはずだったものが、実に13年も掛かってしまったのです。なお、同型艦の耐用年数は約33年程度で、ドック不足という理由だけで艦寿命の約3分の1の期間をメンテナンスに費やしたこととなります。

自壊する原潜戦力

さて、公営造船所のみでは不足する修繕ドック。それを補うための民間造船所への委託。結果として遅延を重ね、貴重な戦力の稼働率を下げることとなった現況。

では、このドック不足はどのような影響を与えることとなったのか。バージニア級SSNの進水から退役までの活動計画を参考に見ていきましょう。

稼働スケジュール

まず、本艦型の耐用年数は約33年とされており、約6年ごとに約2年間の長期整備を繰り返す計画です。このため、ドック入渠が必要な整備回数が退役までに計4回必須となっていました。なお、同型艦であっても改善が続けられ、ブロックⅣ以降はドック入りが3回に短縮されました(=8年ごとに2年のドック入渠)。

出所:各種資料から著者作成。

※基礎訓練:単艦での習熟訓練など。合同訓練:他艦との戦術訓練など。作戦展開:実戦配備など。

この図は、1サイクルにおける活動内容を表したものです。ブロック3までの原潜はこのサイクルを3回繰り返し、その後メンテナンス期間に入ることになります。そして、修繕能力の不足はこのサイクルを狂わせる最大の要因となります。

基礎訓練が遅れると艦本来の能力を発揮できず、合同訓練の機会が減少することで艦隊全体の戦力が低下することとなります。もちろん、訓練不足の原潜を作戦展開させるわけにはいきませんので、国家安全保障そのものに影響を与えてしまいます。

※同艦型の計4回のメンテナンスには3回のEDSRA(1~2年程度ドックに入れる定期メンテナンス)と、1回のDMP(1~2年程度ドックに入れ近代化改修を行う)を行うとありますが、どちらもドックを占有するくらいの認識でよいと思います。

修繕計画と実際の状況

2年間の整備期間のうち、計画上ではドックへの入渠は450日と設定されていました。その後、各艦ごとの状況などを考慮し、平均547日へ修正されました。

しかし、同艦型5隻を対象に調べたところ、実際には平均213日もの延期を出しており、結果的にドックを平均760日と2年以上も占領していたこととなります。

出所:The Capacity of the Navy’s Shipyards to Maintain Its Submarines

この遅延の原因には、①造船所がオーバーホールごとに実施しなければならないメンテナンスの量が増加していること、②海軍が作業量に対応できるほどの新規労働者を雇用できていないこと、があげられます(出所:同上)。

さらに、ドック以外の原因について、『潜水艦の部品の多くが単一供給元から供給されているため、サプライチェーンの問題も修理部品の入手性に影響を及ぼしている。』とのように、部品の納入が間に合わず出渠が遅れることもあげられています(出所:Nearly 40% of US attack submarines in or awaiting repair as shipyards face worker shortages, supply chain issues)。

ドック不足への対応策

出所:各種資料より著者作成

ドック不足がもたらす影響。仮に、原潜の稼働率7割を保つためには、ドックが最低15基程度が必要だと既述いたしました。

あくまでも数だけの観点でいうと、公営造船所10基と民間造船所5基を利用すると最低限度に達することはできます。しかし、同所はあくまでも原潜の建造がメインであり、修繕を本来行うのは公営造船所であるべきです。

では、最後に国策として進めている公営造船所の最適化案などについて見ていきましょう。

SIOP

2018年、米海軍はドックの新設や既存ドックの拡張、近代化を目的とした「造船所インフラ最適化プログラム(SIOP:Single Integrated Operational Plan)」と呼ばれる対応策を始めました。

稼働する公営造船所は100年以上の歴史があり、設備の老朽化は大型化する現代艦への対応が困難になっていました。これは、ドックの平均築年数が101年、最も最新のものでも1962年製ということから、その老朽化具合が理解できますね。

本件は米国政府としてもかなり力を入れた対応案で、計画時点で約210億ドル(約3兆円以上)の予算が付いています。なお、その後の再計算で、真珠湾造船所だけで当初の約61億ドルが約160億ドルへ膨れ上がるなど問題も浮き上がっております(NAVY READINESS Actions Needed to Address Cost and Schedule Estimates for Shipyard Improvement)。

なお、予算の増額は中国海軍の急増に伴い承認されることが予想されています。

ドックの新造と拡張

出所:Shipyard Infrastructure Optimization Program

公営造船所の部分で、すでに何基かが工事中や新設中などと書いておりました。それこそ、このSIOPによるものなのです。

ノーフォークとピュージェット・サウンドについては、フォード級CVNの入渠を可能にする拡張工事や設備の近代化が行われる予定です。一方、原潜の主要な造船所となったポーツマスと真珠湾の両施設にはドックが新設されます。

その内訳は、ポーツマスには長さ160m、幅30m級のドックが2基。真珠湾には長さ200m、幅30mのドックが1基です。これにより、ドック不足はかなり解消へ向かうことが予想できます。

と同時に、各ドックとそれに伴う設備の近代化により入渠時間は約90日程度短縮が可能で、ドックの回転率を高めることが可能となります(PMO 555 SIOP)。

原潜設計の改善

ドックの新設と回転率を高めるインフラの面のみではなく、原潜の設計についても大きな変化があります。

既述の通り、バージニア級SSNブロック4以降の建造分は耐用年数内でのドック入渠の回数が4回から3回に減少します。限りあるドックを他の艦型に利用することができ、ドック不足を手助けしていると言い換えることができますね。

これはSSNのみならず次世代SSBNについても同様で、オハイオ級SSBNで必要だった核燃料交換が不要となり、ドックの占領を避けることが可能です。

サプライチェーン(供給網)の改善

部品、製品

SSNの新造船を行う企業は2社と書きましたが、すべての部品を自社で製造しているわけではありません。現在、建造や修繕に関わる事業者数は全体で約16,000社存在すると言われ、また原潜向けの重要部品を供給する企業は約3,500~5,000社となります。

冷戦下のアメリカにはこの重要部品の製造事業者が17,000社存在していましたので、実に3分の1にまで減少したと言えます。なお、この理由には、冷戦終結とともに軍縮が行われ、軍事費の削減や新規需要の減少などから企業は統廃合や事業撤退を選択したことなどが挙げられます(出所:COLUMBIA CLASS SUBMARINE Overcoming Persistent Challenges Requires Yet Undemonstrated Performance and Better-Informed Supplier Investments)。

そのような結果、現在、原潜向け重要部品の約70%は1社による単独供給となっています。

修繕期間の遅延の一つにあるサプライチェーンの問題はこのようなことを意味しています。特に原潜に使用される部品は民間需要が皆無で、1社に依存する傾向が強く現れます。

サプライチェーンの可視化などの対応策は国防省として実施が計画されております。

技術者、労働者

同じく、冷戦終結に伴い1990年代に多数の海軍造船所が閉鎖されることとなりました。これは同時に高度な技能を有する労働者の解雇を意味しており、他の産業へ流出する形となります。

現在の課題にもなっている溶接工や機械工、配管工などの担い手が不足するのも、公営造船所閉鎖による労働者母数の減少が大きな影響を与えていることに疑いようがありません。

海軍としても、人材育成や訓練などを官民連携で強化しており、潜水艦産業基盤(SIB)プログラムなどが行われています(出所:U.S. Navy’s Submarine Industrial Base (SIB) Hosts Talent Pipeline Project (TPP) Signing Day with First Cohort to Join Navy at NSWC Philadelphia Division)。

終わりに

世界最強の原潜戦力は敵国との戦闘ではなく、自国の修繕能力の不足により「自壊」していく。

深刻な稼動率の低さから、様々な対策がとられていますが、対中国の観点からより軍備増強がなされることに違いありません。

艦艇数の増加に対し、水上戦力は民間や日本など同盟国へ任せ、公営造船所では原子力艦に注力する方針は今後も続くと言えます。拡大された海軍戦力を今回紹介したようにドックの新設などでカバーできるのか?

この投稿がそういった疑問の解決の手助けになれば幸いに思います。

今回は特に英語の資料が多く、翻訳ミスなどもあると思われます。もし気が付いた点等ございましたらお気軽にコメントください。

それでは、次回もよろしくお願いします。

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